++現場日誌++

2018. 11. 30. Fri 昨日完成。
2018. 11. 29. Thu 知らぬ間にもうすぐ年末。
2018. 11. 28. Wed 20年という月日。
2018. 11. 27. Tue ビル風を受ける経験。
2018. 11. 26. Mon 20年前写真出土
2018. 11. 25. Sun ハードウッド耐久性考。
2018. 11. 24. Sat 五平餅。
2018年 11月
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  2018. 11. 11. Sun
      持つべきものは友人。
  
高校時代の同級生で、木材のリグニンについて研究している友だちがいる。 
 
高耐久性を言われる、ある樹種について、木材組織における抽出成分(5%程度)が、耐久性を決定づける事は、 
当然知っていたが、リグニンの種類によっても耐久性が変わるということを 
論文でみたので、 
質問した事がある。(解説してもらったのだ) 
 
こう返ってきた。 
 
”リグニンとは木を堅くする成分です。プラスチックのフェノール樹脂のようなものです。 
木材には20〜30%含まれています。残りの65−75%は多糖類でセルロースとヘミセルロースです。リグニンは木を堅くすると同時に腐りにくくします。攻撃する菌類に対して,リグニンはよろいのようなものです。どんな木でも多糖類とリグニンを持っていますが,実際には腐りにくい木(例えば,ヒノキ)と腐りやすい木(例えば,ブナ)があります。これは,5%弱の抽出成分とよばれるものの作用の違いです。これは,リグニンとは異なり,菌に対して,いわば毒のように作用する物質です。つまり,ヒノキにはいわば毒(抗菌性成分)がたくさんあり,ブナには毒のような成分は少ない。となっています。これは正しいことです。抽出成分は有機溶媒や水に溶けやすい。一方,多糖類やリグニンはとけにくい成分で,多糖類は繊維を形成したままであり,リグニンは溶けないプラスチックのようなものです。 
 
ここまでを一般的に理解されているとします。 
 
さて,化学構造のちょっとした違いで,グアイアシル型(その論文ではグアシルという訳語を当てています)とシリンギル型があります。 
針葉樹(マツ,スギ,ヒノキ)はグアイアシル型のリグニン,すなわちグアイアシルリグニンから成ります。 
 
一方、広葉樹(ケヤキ,サクラ,クス,キリ等々)はグアイアシルリグニンとシリンギルリグニンとの両方から成ります。 
 
木材を分解する菌=木材を腐らせる菌=木材腐朽菌 
これには,白色腐朽菌と褐色腐朽菌があります。 
白色腐朽菌とは多糖類とリグニンの両方を分解する菌です。カワラタケは白色腐朽菌です。 
褐色腐朽菌は多糖類のみを分解する菌で,リグニンを部分的に変質しますが,分解させることはできません。 
 
毒のような抽出成分の存在が,いろいろな木材の間での腐りにくさ,腐りりやすさを決めるというのが一般でした。 
 
この論文では,リグニンの種類によっても,腐りにくさ,腐りやすさが違うということを述べた点で価値があります。 
 
また,広葉樹はグアイアシルリグニンとシリンギルリグニンとの両方から成るはずですが,広葉樹は種類が多く,多様性が大きいです。両リグニンの割り合いにも多様性があります。4種の木材においてはグアイアシルリグニンの割合が特に高いことが,ニトロベンゼン酸化という化学分析法で分かりました。このことはそれらの4種が,外見は典型的な広葉樹であるにもかかわらず,中身の化学成分は通常の広葉樹とは異なる,特殊な存在であることを示します。それらが,特に腐朽しにくい(=脱リグニンが小さい=リグニンの分解が少ない)というものです 
 
別の研究者の実験で,グアイアシルリグニン含量の大きい木材は,白色腐朽菌によってさえも分解しにくいことが示されましたが,この研究でも同様な結果が得られました。 
 
ベンゼン環に-OCH3がひとつのみであるのがグアイアシル,-OCH3がふたつあるのがシリンギルです。2つあった方がベンゼン環の電子が多くなります。リグニンの分解にはベンゼン環の電子の存在が関係していて,それが多い方が分解に有利ということが分かってきました。 
 
広葉樹は種類が多くて,例えばバルサやポプラのように軽軟な木材である例外もありますが,一般には緻密な組織構造をしていて固いのが特徴です。例えば,ケヤキやカシです。爪で傷つきにくいです。抽出成分を除いた木材におけるリグニンについて言うと,シリンギル型が多くて,硬いのに分解しやすいことになります。一方,スギやヒノキは其れ程緻密でなく(爪で傷つきます),加工し安いです。ところが,抽出成分を除いた木材におけるリグニンについて言うと,グアイアシル型が多くて,表面はやわらかいのに分解しにくいことになります。 
 
最後になりましたが,グアイアシルリグニンは(シリンギルリグニンも),抽出してそのままで(リグニンを変質させないで)とることはできません。溶けにくい,フェノール樹脂のようなものだからです。” 
 
 
非常にわかりやすく、メールで教えてくれた。 
 
進化体系では、広葉樹より針葉樹のほうが、進化されたものと聞いたことがあるが、その過程論でのリグニンの化学構造の混在なのだろうか? 
 
 
友人が専門家というのは、心強い。
  


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